「明日から夏休みか~。」


1学期終業式、図体と態度だけがやたらとデカい校長のつまんない話を体育座りで聞いていると、千夏がルンルンしながら言った。



「なにしよっかな~…」


ポツリとつぶやく。


夏休み、楽しみだけどさ~…


特に予定ないんだよねー。


千夏みたいに彼氏がいるわけじゃないし、紗結ちゃんちみたいにリッチじゃないから家族で海外旅行なんてしないし、


結局家でアイス食べてダラダラする生活なんだよな~。


終わってるよな、女子高生として。



「次は1学期成績優秀者の発表。」


「え?なにそれ。」



いきなり始まった展開に、ヒジで千夏をこついて聞き返す。



「なにって毎回やってんじゃん。1学期通して成績優秀だったヤツには賞状がもらえるの。」


「そうだっけー?」



あたし全然話聞いてないな、ホント。



「2年、市瀬旭、市瀬陽。」


えぇ!?


「今、市瀬って言ってたよね!」


「言ってたね。」


舞台に目をやると旭が階段をあがっているところだった。


聞き間違いじゃなかったのか…


つーか、こんな大事な日でも私服だし。

超目立つ!