ふたご王子に恋をした

陽はあたしの手を振り払うと、そのままエレベーターに乗ってどこかに行ってしまった。


「………な…なに、この状況。」



よくつかめないんだけど…とりあえず、見てはいけない場面に遭遇してしまった気がする…


陽が飛び出したあとの市瀬家はやけに静かだった。


誰もいないのかな…


旭は?


おせっかいかも…と思いつつインターホンを鳴らしてみる。



「あ…麻衣。」



しばらくすると、旭がドアを半分だけ開けて顔を出した。


「ごめん、うるさかった?」


そう言っていつものように笑う旭だけど、心なしかその笑顔に元気はない。



「…旭!か、顔…顔切れてる!血!」


「あぁ…」


旭のほっぺたに切り傷が!!キレイな顔がもったいないことに!


「大丈夫だよ、大したことないから☆」


旭は落ち着いてほっぺたを触って血を拭った。



いやいや…

血、ガッツリ出てるのに、大丈夫なわけないよね!


なんでそんなに冷静なわけ!?


「…今、家に誰かいる?」


「いないけど…」


「失礼しまーす!」


「え、麻衣!?」


あたしは旭の断りもなくズカズカと家の中に乗り込んだ。