「そうか。」
「……ん…っ!」
また信じられぬ速さで私に近付いたと思ったら…唇を、奪われた。
息も出来ぬ程の激しい口づけに…意識が遠退きそうになる。
…熱い。
体中が、熱い…!
重なった唇から…全身の血が、沸騰する。
“お前には妻がいる”
遠退きそうな意識の中で、その事が頭を過ぎり、我に返った。
―――バシン…ッ
私は思い切り、平手で晴信の頬を打った。
「何をする…っ!ふざけるな…!!」
晴信は、笑っていた。
不適で妖艶な笑みに、戻っていた。
「次に会う時は、戦場だ。俺はお前を斬る。長尾景虎。」

