でも、そんな事言ってられない。


会社に行って、仕事して、飲み会に行って。


すっかり日常に戻ったら、健ちゃんの事を忘れられるはずだよね。


でも…“健ちゃん”そう思っただけで…私の胸は締め付けられるように、ぎゅっと苦しくなる。



会いたい。



でも会える訳がない。



忘れなきゃ…あの子は…中学生なんだから。


胸が苦しくて…苦しくて…苦しいけど、トーストを珈琲で無理矢理流し込んだ。


忘れよう…早く日常に戻ろう。


そう心に誓って。


残暑が厳しい陽射しの中、会社に向かった。