「何を…?何の事…?」 私は本気で意味が解らず、聞き返すと健ちゃんはガクッと肩を落とした。 「…いや、忘れているのなら、良いんだ。さっき言った事は忘れてくれ。」 それだけ言うと克也の方に戻って行った。 だから、私も首を傾げながらも再び踵を返し歩き始めた。 「だが俺は…忘れていないぞ…お前が忘れていようとも…そして、俺は…やはり…お前を…。」 後ろで小さな声で健ちゃんが何かを言っていたけど、不思議な子だなぁと、その時の私はあまり気にしなかった。