「私は…っ最低じゃ…!母として…我が子を守ることもできず…っ!」



「…景虎様…っ!」



「恋など…しなければ良かった…っ!」



晴信に心奪われたりしなければ。


あの時、晴信の首を取っていれば…!


激情のままに泣き叫ぶ私を、少年はただただ抱きしめてくれた。



「私は…晴信が許せません…!景虎様、必ず晴信を討ちましょう!お腹の子の仇を取るのです…!」



「晴信…!絶対許さん…っ!私が斬る…っ!」



もはや…晴信への想いは、憎しみに変わっていた。


私は…我が子の仇を打つ。


そして…女子であった、私自身の。




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