「…いいぜ、くれてやる。お前だけの物に、なってやる。…来いよ。」
晴信が…いつもの不敵な笑みとは違い、嬉しそうに微笑んだ。
私は…涙を流しながら刀を捨て、飛び付く勢いで晴信に…抱き着いた。
「晴信…っ!」
「…景虎…。」
晴信の大きな手が、私の体を強く抱きしめた。
「…お前みたいな女は初めてだ。もう…何もいらん。」
愛しげに呟いて、優しい手付きで私の背中をさすってくれる。
…こんなに、幸せだと感じた事は、今までにない。
この瞬間、確かに私と晴信は、心が通っていた。
この世に、二人きりなんじゃないか…そんな風にも感じた。

