刀を晴信の首目掛けて、突き立てる。 「…どうした、斬れよ。」 だが私は…動く事ができなかった。 「…俺の負けだ。斬れ、景虎。」 何故だか…様々な感情が一気に込み上げる。 私は…泣いていた。 「…斬れる訳が、ないだろう…っ!」 誰が、愛しい者を斬れるものか。 「…景虎…。俺が、欲しいのか…?」 優しくて、寂しげな瞳の…晴信。 「欲しい…!私だけの物になると誓え…!」 お前を失いたくなんか、ない。 私は涙を溢れさせながら、激情のままに…叫んでいた。 ふ…っと晴信が笑って、両手を広げた。