見えない心

力強く、そして
どこか陰を持った…悲しい目。


それは、
私の中にある、何かをくすぐった。


好奇心というよりも、恐怖にさえ似た感覚…。


どうしよう…彼の挑発的な視線から逃げることが出来ない。
怖いはずなのに…、でも、
彼から目を離してしまうことがもっと怖い気がした。


どんどん周りの音が消えていく――。


さっきまで疎ましいほど、色んな思想が渦巻いていた空間とは全く違う。


彼と私しか感じられない世界。
二人の間だけは、時間がゆっくりと過ぎて行く気がした―。


吐き気がするほど混沌した世界に、
あなたが現れた。

私の闇を見透かしてしまいそう目で私を見つめながら、
あなたは生意気に微笑んだ。


これがあなたとの出会い。
私は鮮明に覚えている。私が初めて運命を信じた瞬間だった。