あたしは、地に足ついてる感じの、透夜のことが好きなのだ。
いつもみんなのことをよく見ていて、他人の気持ちを考えられる。
ちょっとカタイところもあるけれど、信頼できる、イイヒトで。
これ、あんまり褒め言葉にはならないけれど。
そんな透夜が、あたしを心配そうに、そして励ますように微笑みながら、見つめてくる。
その心配は完全に間違っているのだけれど、その表情にはドキドキしてしまう。
「もしかして、無理してる？あんたなら大丈夫だから。今なら間に合うから、止めてみれば？」
誰かと付き合っちゃいそうなのが透夜なら、ぜひそうしたいけれどな。
あたしはそっと溜息をつく。
「何であたしなら大丈夫なの？」
