「あ、唯一だ」 透夜は行ってしまう。 あたしはちょっと振り返った。 唯一が、透夜に向かってニマニマしている。 きっと、唯一は、この格好に、透夜が怒るって分かってたんだな。 完全に、あの真面目さを、面白がられてるな、透夜は。 気の毒に。 思って、ホールの方に出る。 「鳴田さんよね?」 呼び止められて、振り返る。 見たことのある子。 かなり濃いメイク。 誰、だっけ?