「だって、伽羅、唯一のこと好きなんだろ?」
そしてあたしがさっきから話しているコレも幼なじみ。
速川透夜(ハヤカワ トウヤ)。
さっき、校門を出るあたりで、彼に捕まってしまった。
透夜はかわいい感じに整った顔をしていて、なかなかかっこいい。
けれど、いつも唯一といるせいで、それは完全にに目立たない。
唯一は目を惹く上に明るくて視線を集める人なのに対して、透夜は寡黙で地味なのだ。
地味というとちょっと違うけど、唯一と比べてしまうと、そういう表現がしっくりきてしまう。
損なタイプなのだ。
「違うよ」

