「分からない。 あたしも、気付いたのはそんなに昔じゃないんだ。 けど、多分ずっと」 ずっと小さなころから。 なんて、ここまで言うと、人物が限定されてしまう。 あたしは慌てて口を閉ざす。 「唯一じゃ、ないんだよね。それがすごい意外」 透夜が、つぶやく。 「オレは、伽羅は唯一が好きなんだって、子供のころからずっとそう思ってたから」