「ゆり…」


ゆりと呼んだ声はハッキリした声

「なに」

目の前のベッドに座るゆうりを見上げた

「僕な、強くなりたい」

「…」

「僕がこの街に越してきた理由はな、いじめやねん」

いじめ…か


「毎日いじめられてん水かけられたり、足ひっかけられたり」

「うん」

「そんな毎日が嫌で越してきたんやけど」

「…」

「やっぱり僕っていらないん?笑」


ゆうりは笑ってそういった

作り笑い、そんなの一目でわかった


「僕な、生徒会長に憧れてん、学校の中心的存在でかっこええやん」

「…」

「だから生徒会に誘われたとき嬉しかった」

「うん」

「はっきり言って生徒会って名があればいじめられへんて思った」

「…」

「けどアカンな…やっぱり僕って変わらないんやって……思っちゃった笑」

「…」

なにも言えなかった

なんにも…





「帰ろ」

「うん…」



なんで何も言えないの



そんな自分が嫌に思えた