僕が君を好きになった理由

僕は、少女云々以前に
あのザコキャラの
ザコっぽさに
異様にむかついたので
即座にジャングルジムを降りて
その騒動に駆けつけた。

ザコキャラ、僕に気付く。

「ヤバいよ、シュンちゃん!高校生来たよ!逃げようよ、シュンちゃん!」

ガキ大将のシュンちゃんは
僕に気付き
僕を睨んでるようだが
残念だが、シュンちゃん
今、僕は君には
かまっていられないんだよ!

そこのザコ!お前だよ、お前!

ザコキャラは、僕の形相に
恐れをなしたのか
シュンちゃんを置いて
一人で逃亡を企てた。

ダダダダダッ!

ザコはやはり逃げ足が速い。
もちろん
僕もそれを追うほど
大人げない高校生では
ないので、そのまま
放っておくことにした。

ガキ大将のシュンちゃんは
勇敢にも、ぎりぎりまで
僕が来るのを待っていたが
最後は「チッ!」と吐き捨て
その場を、去っていった。

僕と少女だけが残った。

「大丈夫だった?」

僕は、極力優しい声で
少女に話しかけた。
少女は警戒心を
剥き出しにした
目で僕を見ながらも
ちゃんと「ありがとう」と
小さな声で言った。

そして、上目遣いで僕を見た。

なかなか、可愛い子だった。
恐らく、シュンちゃんは
この子のことが好きなのだろう。

そして、僕は少女が
胸に大切そうに抱き締めてる
猫に視線を落とした。

チョコちゃん??

ニャー。