そんな風体なものだから
僕らにとっては
格好の餌食となり
ある者は
ボンバラボンに砂をかけ
また、ある者はエアガンで
狩りの標的として
バンバン撃った。

さらにひどい者になると
ボンバラボンの棲家である
青いビニールシートの
テントの中におしっこをして
その上に塩酸10%未満含有の
トイレ用洗剤をバラ撒き
塩化アンモニウムを検出し
その塩を腹の足しに
食わそうとした。

もちろん
実験は大失敗に終わった。

つまり、僕らにとって
ボンバラボンは身近にいる
「差別してよい人」であり
僕らは、イジメ方の発想を
競うかの如くボンバラボンを
イジメ抜いたのである。

最低な話だ。

でも、僕らは
最低であることを
誇りに思った。

なぜなら、テレビに出てくる
お笑いタレントが
僕らにとっては憧れの
対象であり、最低なことを
すればするほど、その憧れに
近づける気がしていたのだ。

なので、罪悪感は
これっぽっちもない。
夢を追って、何が悪い?