「とりあえず、猫が行きそうな場所…まずは、そこから当たってみようか?」

キマった!
頼りがい増量中だ。

そんな僕の
自己満足はさておき
中澤は、眉間に皺を寄せ

「猫が行きそうな所って、どこかな?」

と、やや宙を
睨むような角度で言った。

「そうだなぁ…やっぱり、魚屋?あと、公園もはずせないな…。あの、傘地蔵公園にいる「ボンバラボン」って浮浪者知ってる?あのおっさん、いつものら猫にエサやってんだよね。だから、そこに行く可能性も高いな…。」

まるで、コナンになった気分だ。

中澤が、コナンな僕を
どんな目で見ているのか?
確認しようと思った矢先に
中澤は、僕に言った。

「なるほど、そうだね。じゃあ、私、魚屋さん見てくるから…。小嶋君、悪いんだけど…傘地蔵公園見てきてくれる?ちょっと、あの公園怖いから…。」

と、上目遣いで言った。

終わった…。
僕と中澤の楽しいひとときが…。

美少女に上目遣いで
頼み事をされると
パブロフの犬のように

「うん」

という言葉しか出て来ない
男の悲しい習性だけが
僕の心に響いた。