和沙って名前は女も男も居るから、性別も分からない



高級感のあるセキュリティマンションの前…



私は駄々をこねていた



「…お姉ちゃん、メールしてイイ?電話とかも…あと、お泊まりに行ったりしていい??」



「メールなら、返せる時にするし電話は出来たらね?あと、お泊まりは難しいなぁ…」



…不安だよ……



高校だって、お姉ちゃんの家の時とは違うところに通わなくちゃだし……



私は大きくため息をついた



「……あの、七井さんですか?」



「はい、あなたが斎藤さんですか?」



…………



言葉が出なかった



…男の人だ……



体が震えだす



男性嫌いは知らないはずだし……



「桜羽がお世話になります、ほら…挨拶」



恐い…



「な、七井 桜羽です…」



震えた声で挨拶をした



「…斎藤 和沙、ヨロシク」



一通り挨拶を済ませるとお姉ちゃんの携帯が鳴った



「はい、はい、…わかりました!すいません、あたしはこれで…」



どうやら、仕事みたい



……



しばしの沈黙



「…行くぞ?桜羽だっけ、荷物これだけか?」