「やぁ、やだ!」



「抵抗するとか、可愛いなぁ~」



恐い、恐い…



「ふぇぇっ…ん…ひくっ」



すると、握っていた携帯が震えた



♪~~~♪~~~



音にビックリしたのか、男の人の腕が緩んだ



男の人の腕を抜けて、逃げた私



ずっと鳴り続ける携帯


私は大きな廃棄のビルの影に座った



まだ鳴り続ける携帯



ぴっ


「…もしもし…」



『桜羽、どこに居る?』



電話の主は和沙…



「…ゎっかんない…ひくっ…」



止まったはずの涙が溢れ出る



「恐いよぉっ…」



『は?!何があったんだよ!』



「…ひっ…道に迷って……グスッ…男の人達に捕まって……逃げてきた…」



和沙の声は落ち着いていた



『場所は?』



「…大きな古いビル…があって……パチンコ屋さんがあるっ……」



『わかった、今から行くから…待ってろ』



「ごめんなさい…」



プツッ…



電話が切れた