残されたものは手の平に乗った2つの紙切れとあたしに向けられたクラスメートの不安そうな顔だけだった。 「朝実…愛結が転校するコト知ってたの??」 「…ううん」 「そっかぁ…朝実も知らなかったのかぁ…」 みんなが口々に愛結のコトを話す。 「…ごめんっ」 あたしは涙を堪えきれずに廊下に出た。