キミウタ


「でも夏帆の顔見たい」


「でも…しょうがないじゃない」


「だからイヤなんだよ」


「ふっ、わがままなんだから」


「ふんだ」


「あ、すねた」


「もういいもん」


そう言って僕は夏帆の顔があるはずの所に手を伸ばした。


「きゃっ」


「ビンゴ」


僕の指先は夏帆の鼻にあたった。