葬儀は父の兄が喪主をつとめ、一見3人同時とは思えないほどひっそりと小規模に行われた。
親戚達はマスコミの目もあるからと言って葬儀には参加させてはくれなかった。
おれは壁ごしに、かすかにではあるがお経が聞こえてくる奥の部屋で一人叔父に渡された親父の遺書を読んでいた。
内容をはっきりとは覚えていないが、たいしたことは書いてなかったと思う。
借金は自分が死ねばなんとかなるだとか、実はおまえは養子だったんだとか、どうしてもおまえだけは道連れにできなかっただとか。
最後までおれは本当の意味での家族にはなりきれなかったってことか。
今までの自分の人生がとても薄っぺらいものに感じられた。
怒りも湧いてこなかったし、そんなに寂しいわけでもなかった。
わけもなく怒りを感じるほど幼くはないし、これからたった一人で生きていかなければいけない寂しさをきちんと理解することができるほど大人でもない。
悲しんでいる自分の気持ちが正しい感情なのかどうかさえ、おれにはわからなかった。
親父の死に様のようなこの宙ぶらりんの気持ちも長くは続かせてもらえなかった。
親戚達はマスコミの目もあるからと言って葬儀には参加させてはくれなかった。
おれは壁ごしに、かすかにではあるがお経が聞こえてくる奥の部屋で一人叔父に渡された親父の遺書を読んでいた。
内容をはっきりとは覚えていないが、たいしたことは書いてなかったと思う。
借金は自分が死ねばなんとかなるだとか、実はおまえは養子だったんだとか、どうしてもおまえだけは道連れにできなかっただとか。
最後までおれは本当の意味での家族にはなりきれなかったってことか。
今までの自分の人生がとても薄っぺらいものに感じられた。
怒りも湧いてこなかったし、そんなに寂しいわけでもなかった。
わけもなく怒りを感じるほど幼くはないし、これからたった一人で生きていかなければいけない寂しさをきちんと理解することができるほど大人でもない。
悲しんでいる自分の気持ちが正しい感情なのかどうかさえ、おれにはわからなかった。
親父の死に様のようなこの宙ぶらりんの気持ちも長くは続かせてもらえなかった。
