……医学生
「私、英雄さんの事
医学生って
先生に教えたっけ?」
「イチの様子が
おかしいと思った時
オレ、てっきり家庭の悩みだと思い込んでイチの家族調べたんだ」
……そっか
私の担任から
調査表とか借りれば
家族の事なんてすぐわかる
そんなに
気にかけてくれてたんだ
「……最後はもう
面倒くさいって感じで
拍子抜けするくらい あっけなく
こっちの要求飲んでくれたよ」
「要求?」
「うん。
イチに手を出さない事
イチとの事は誰にも言わない事
ま、これは英雄くんにとっても
秘密にしたい事だろうけど
あとは1ヶ月以内に
あの家から出る事」
1ヶ月以内に家から出る?
「え?英雄さんが?」
私が驚いた顔をすると
先生は真剣な顔で
「一度、
そんな関係になった以上
一緒の家で暮らすなんてダメだ」
「でも」
お義父さんやお母さんが
変に思わないかな……
「こう言っては何だけど
お義父さんは財力があるし
英雄くんが一人暮らししたい
って言っても金 出せるだろ
こんな事になったのも
親に全く責任がないかと言えば
そうじゃない
子供の異変に
気がつかないなんて……」
先生はそこで言葉を切り
遠くを見るような
虚ろな目をした



