先生の青





1人残った部屋に

しとしと雨の音だけ聞こえる


じっと座ってることも
出来ないし


漫画を開いてみても
頭に入っていかない


リビングの中
うろうろ うろうろ
意味もなく歩き回ったけど


チッ、チッ、チッ、チッ……
壁掛け時計の秒針の音が
やけに大きく聞こえて
不安を増長させた




「あー!もう!落ち着かない」


1人で叫んで
玄関近くにあった
小さな物置の扉を開けた


ごちゃごちゃ箱が
雑に積まれた片隅に
掃除機を発見



世話になってるから
掃除くらいしてあげよう



母子家庭だったから
家事は得意だ



リビングの窓を開けると
暖かい湿った風が
ふわっと前髪を揺らした



どんよりした
グレーの雨雲を見上げ



気になってるのは
英雄さんのことだ


私のせいで
先生が嫌な目に
合わなきゃいい


それが気になって
落ち着かない


……だけど



 来なくていいなんて
 冷たいな……カナ


 オレはフミに会いたくて
 行ってんだからさ


 フミに伝えて
 必ず会いに行くから




頭の中、繰り返される先生の声



カナとフミって一体 、誰?