先生の青





学校で話すトーンとも


私を慰めるトーンとも違う


親密さが声に混じってた



それに



フミ と カナ って



この前、先生が寝言で


ごめん ふみ ごめんな


ごめん かなも ごめんな


泣きながら先生は謝って……




  ガタンッ……


先生がケータイ片手に
リビングへ戻ってきて



ビクッと驚いた私に


「大丈夫だって
そんなに心配するな」


さっきの電話とは
全然 違う声で笑い



「さ、行ってくるか」



家の鍵を持って玄関へ向かった



私は慌てて追いかけて



「先生……」


先生は靴を履きながら
「ん?」って返事をした



「せ、先生……

もしかして……

私、すごい迷惑?」



先生は今日
行くところがあったんだ


フミに会いたかったんだ


私が邪魔をしてる


フミって先生の……


うつむく私の頭を
大きな手のひらが包み


「大切な生徒が
傷つけられた時に
迷惑も何もあるか

つまんねぇ事を考えるな」



先生の目を
探るように見てしまう


ぐしゃぐしゃ
私の髪をかき混ぜるように
雑に撫でて



「オレを信じろ。

じゃ、お留守番よろしく」



傘を片手に
先生は出かけて行った