先生の青






  カチャン…



玄関のドアの音で目が覚めた



薄く目を開くと


部屋の中はまだ薄暗い
かすかに雨の音がする。



キッチンの方で
ガサガサって
買い物袋の擦れる音と
冷蔵庫を開く音がした。




………私、どうしたんだっけ?



昨日、夕べ……
記憶をたどっていく


そうだ、先生が


先生が泣いていいからって


それで私


泣いて泣いて
身体中の水分が
空になるくらい
泣いて



先生に しがみついたまま
泣き疲れて寝ちゃったんだ



温かいベッドの中が気持ちいい


また まぶたを閉じかけた時
足音がこちらに近づいて



………カタン


先生はテーブルに
缶コーヒーを置き
ベッドを背もたれに
足を伸ばし床に座った



缶を開け一口飲んでから
先生はこちらを振り向き
少し驚いたような目をした。



「イチ、起こしちゃったか?」



私が小さく首を横に振ると



「まだ5時半だから
もう少し眠りなさい」



そう言ってまた前を向いた。



泣き過ぎたせいか
少しガンガンする頭で
ゆっくり起き上がって



ベッドの上、
正座を崩した格好で座る



「……どこか行ってたの?」


かすれた声で訊いたら


先生は立ち上がり
ベッドに腰をかけて


「ちょっとコンビニに
冷蔵庫があまりに空だったし」



まぶたが腫れた私の顔を
優しい目をして先生は見てた