先生の青





自分の叫んだ声で
耳鳴りがした



崩れ落ちそうな私を
先生がしっかり掴んでる




「オレは?」


ゆっくり顔を上げると


先生の濡れた髪の先から
垂れた雫が
頬を伝いアゴ先から落ちる




「オレは
イチの居場所にならないか?
イチの帰る場所にならないか?」



「………先生……」


優しく目を細めて


「一緒に帰ろう、イチ
それで温かい物 飲もう」



優しい優しい柔らかい
その声が耳の奥に届くと



何かがプツリと切れたみたいに



「………先生……」



腕を伸ばして
先生の首に抱きついた


肩に顔を埋めて
わんわん泣くと


大きな手のひらが
私の頭と背中をしっかり包む




一つ一つ大きく逞しい身体は
私を傷つけた物と同じなのに



先生の腕の中は
深く安心できる
優しい場所だった