バタン。


トイレの個室に入り


「はぁ――――」


長く息を吐く


こんな こんな毎日が
永遠と続いていくのかな




……生理が2週間遅れてる






廊下を歩いてると
降りだした雨粒が
窓ガラスを打った



その音に気をとられて
ぼんやりした時



「一ノ瀬さん」


ガシッ
後ろから大きな手が
私の肩を掴み


「―――――――――……っ」



息が詰まった瞬間


その手を弾いて
その場に
しゃがみ込んでしまった




ひざを抱えて
肩が震えると



「……な…なんだよ…」


戸惑った男子の声と


それを見ていた周りの
好奇な視線をたくさん感じた



  普通にしなきゃ



「ご、ごめん。少し驚いて…」


立ち上がり
肩を掴んだ男子の顔を見ると
クラスメイトだった


「なんだよ一ノ瀬さん
驚いたのは こっちの方だよ」


ごめんねってもう一度
笑って謝ると


いいよって男子も笑った



「担任が日直を呼んでた
一ノ瀬さん日直だったよね」



「あ、うん。わかった。
ありがとう」




うつむいて職員室へ歩き出す



うつむいてたから


三島先生が見てたこと


私は知らない