………なんとか なるよ


ここで投げられたって


なんとか帰れるよ


きっと大丈夫…………




「あのね、英雄さん……」



私が口を開くと
ウインカーを上げて
車は細いわき道に入った



………どこに行くの?



そのまま、周りは木だけの
舗装されてないガタガタの道を
車は進み 行き止まりにぶつかる




ギアをPにいれ


「これで、ゆっくり
市花の話を聞いてあげれる」



そう言った英雄さんと
目が合った瞬間
ひざが震え出した



周りは真っ暗な行き止まり



彼の目だけが妖しく光る



ドクドクドクドク………


鼓動が緊張で早まり
呼吸も浅くなる
手のひらには嫌な汗が浮かぶ




「市花?」


「………終わりにしたいの」


上ずった情けない声


「もう、付き合うとか
出来ない…………」


言ったあと
緊張のせいか
頭の中は
真っ白になった気もするし
真っ黒になった気もする



目の前が
チカチカするような気もする



ひざの上
手を握りしめると
逆に激しく震えた