バスルームから
出てきた先生の
呆然と呟いた声が
リビングにいる
私の背中に聞こえる
「……木下?何やってんの?」
リビングの床に
脱ぎ捨てられた
先生の服をたたみ
テーブルの上の
紙くずなんかを
ゴミ箱に捨て
適当に部屋を片付けた私
「何って片付けだよ……」
リビングの入り口にいる
先生を振り返ると
「やっ!やだっ!先生っ!」
私が もう帰ったと思った
先生はパンツ一枚の姿
「わ、わ、わ、ごめんっ!」
慌てる先生に
また背中を向けて
ギュッと目をつぶると
ガタンッ
何やら着替えを取り出す物音
スルッ……ガサガサ
服を着る物音
「で…でも、木下?
本当になんでいるの?」
「だって、だって」
「あ、着替えたから
こっち向いて大丈夫だぞ」
その言葉に目を開き
先生を振り返る
先生はベッドに座って
不思議そうな表情で
私を見てた。
私は床に正座して
畳んだ先生のTシャツを
ギュッと握りしめ
「だって、だって
先生…心配だもん」
「はあ?」
「あ、頭打ってるかもよ?
内臓だって無事かわからないし」
私が喋れば喋るほど
先生は眉をしかめる
「寝てる間に
具合悪くなるかもよ?
だったら一晩中、
私が見てなきゃ心配だもん」



