先生の青





先生は私の表情を見て



「…どうした?顔色悪いぞ?」


私は首を横に振り


「何でもないよ、大丈夫」



「そうか。
オレ、シャワー浴びるから」


……ちょっと
今シャワーすると
絆創膏とか はがれるじゃん



「今日はありがとうな
お前も家に帰れ」



「――――――え?」


「お前の家、ここから
どれくらいだ?」


「……K町だから…」


「じゃ2千円あれば
余裕でタクシー乗れるな?」


先生はサイフから
2千円を私に渡して


「じゃ、本当にありがとう」



キッチンの隣にあるバスルームに入って行った




2千円を握り
キッチンに立ち尽くす私の耳に


 ザァ―――――――――


シャワーの流れる音が聞こえる







  これくらいヤらせろよな






英雄さんの蔑むような視線



お母さんの疲れた顔



おばあさんの私を見る目



それらがグルグル
私の頭の中駆け巡り



とたんにひざが震えだす



帰りたくない



………帰れない