おかしいよ
こんなの絶対おかしい
家の事情に巻き込んで
悪いのは私なのに
先生は関係ないのに
バァンッ
乱暴に職員室のドアを開けると
中にいた先生全員が
ギョッとしたように
私を振り返った
「一ノ瀬ー、ドアは静かに」
呑気な声で言った
担任の元に進み
「三島先生は悪くないんです!
私が全部悪いんです!
私が退学するから
三島先生は――――――」
「一ノ瀬!」
素早く立ち上がった
担任が私の声をさえぎる
職員室にいる全員が
こちらを注目してた
教頭が足早にやって来て
「一ノ瀬、こっちに」
教頭に促され
職員室を出て
生活指導室に連れて行かれた
生活指導室のドアが
閉まったと同時に
「先生!
三島先生は何も悪くないんです
私が勝手に三島先生を頼って
三島先生は迷惑してたんです」
教頭に詰め寄るように
必死に訴えた
「処分するなら
私にしてください
私が退学します」
「一ノ瀬、落ち着きなさい
この話はもう片付いた話だ」
教頭は私から逃げるように
横をすり抜けて
窓際に立った
「キミのお父さんから
事情は全部聞いて
三島先生に
不適切なところがあった
その責任をとって
三島先生は自ら退職したんだ
もう終わったことだ
キミも忘れて勉学に励みなさい
受験生なんだから………」



