先生の青





英雄さんに正門前まで
車で送られる



生徒玄関に入る前
振り返ると
英雄さんは運転席から
ちゃんと私が学校に入るか
じっと見てた



教室に入り
自分の席に着くと
絆が駆け寄ってきて


「市花おはよー
休んでたけど風邪?

メールしたのに
返ってこないし
心配したよ」



メールがきたって
ケータイは英雄さんだ
わかるはずもない




「ごめん、爆睡してた」



なるべく うつむいて答える
頬の腫れがまだ引いてないし



教室のざわざわした喧騒
廊下をバタバタ走る足音
すごいな世界は何一つ
変わっていない




朝のSHRのあと



クラスの女子の声が
教室の隅から聞こえてきた





「美術の三島、
辞めたらしいよ」






―――――――――――え?



席から勢いよく立ち上がり
その女子の元へ駆け寄った




「その話って―――――――」


私の剣幕さに
彼女は少し引いて
それでも詳しく教えてくれた




「なんか昨日の放課後
中年のオッサンと三島が
言い合いしてるの
校長室の前で見て


さっき職員室に
日誌取りに行ったら
先生達が噂してんの聞いたんだ


三島が辞表出したって―――」




彼女の話を最後まで聞かず
教室を飛び出し廊下を走った