ドサッ
投げられた反動で
ベッドの上
身体が弾んだ
ギシッ……
英雄さんが私の上
馬乗りになって
両方の手首をきつく押さえる
「……イヤ!」
「可哀想にな、市花
あのセンセーは
そんなに良かったか?」
私の真上にいる
英雄さんと目が合う
鋭い目の奥が光ってた
「お前の役割がわかったとたん
前とはまた違う感情が
湧いてきたよ」
そっと私の頬を
英雄さんの指先が撫でる
「オレと同じと思えば
可愛くないこともない
愛しくないこともない
可哀想になぁ、市花
兄妹で苦しみを分かち合おうか」
ゾワッと背筋に悪寒が走った
過去の恐怖がよみがえる
「やだ……離して」
「あのセンセーに
どんな風に抱かれたんだよ」
ちょうど先生の跡が
残ってるところ
英雄さんの舌が
首筋を舐めた
「やだ!やめて!やだ!」
イヤだ、絶対にイヤだ。
先生じゃなきゃ
先生じゃなきゃ絶対にイヤだ
腕を必死に動かそうと もがく
だけど手首を押さえつける
英雄さんの手は外れない
「離し」
「黙れって
今さらなんだよ
初めてじゃあるまいし」
カッと顔が熱くなった
怒りが一気に込み上げる
次の瞬間
私の唇をふさいだ
英雄さんの唇を
思い切り噛んだ
「……つっ」って
短い声が聞こえて
英雄さんが離れた時
口に鉄の味がした
切れて血が滲む唇を
片手で押さえた英雄さんが
すごい目で
私をにらんだと思った瞬間
――――――――――パァンッ
鼓膜にものすごい音が響いた
痛みより熱さが
徐々に頬に広がっていった



