タクシーに乗って
先生が運転手さんに
住所を伝える
先生のマンションは
家から徒歩20分くらい
少し離れた場所
タクシーが夜の道を走り抜け
目的地に近づくと
先生はサイフを出した
「先生、サイフ
無事だったんだ」
先生を襲った奴らに
盗られたかと思って
私もサイフを出そうと
してた時だった
「ああ」
先生は無表情で
「これ以上、アイツらに
暴力で奪った金で遊ぶ事
覚えさせるわけに いかねぇもん」
こんなヒドイ目にあってまで
生徒とはいえ
犯人の事を思うなんて…
「なーんて
金盗られたら
オレ生活できねぇし
必死で守ったさ」
先生は茶化すように笑った
誤魔化したって無駄だよ、先生
悪い事する生徒のために
サイフ守ったって
私には わかる



