ドクドクドクドクドク……
怖くて身体が動かない
だけど
ダンダンダン!
「市花ちゃ~ん
早く出てこようね?
お兄さん恥ずかしいから」
ど、どうしよう………
意味もなく部屋を見渡す
なんで?なんで英雄さんが
「早く出てこいって
お前がいつまでも
ここにいたら
センセー警察に捕まっぞ!」
「…………え」
………警察?
玄関まで走り
ドアを勢いよく開けた
「警察って―――――――」
慌てて出てきた私を
ニヤリと笑って
英雄さんは
開いたドアに片手を置き
寄りかかった
「荷物持ってお家に帰ろうねぇ市花ちゃん」
「………どういうこと?」
震える声で訊くと
英雄さんは
「今、父さんが高校に行ってる」
「なっ………」
「お使いの内容は
父さんが高校に行ってる間に
妹を誘拐犯のアジトから
救い出すことだ」
…………誘拐犯って………
「おっと、市花
誤解すんなよ?
朝 起きたら
えらい剣幕な父さんが
写真を見てたんだ」
「写真………?」
「何枚かあったけど
お前がこのマンションに
入る写真
センセーがマンションに
入る写真
二人仲良くマンションに
入る写真
父さんが『この男は誰だ?』って言ったから
市花が世話になってる
高校の教師だって
教えてやっただけさ」



