先生の青





どうしよう
ドキドキして
身体に力入んなくて

クラクラして
熱くて
訳わかんない




「ふっ……」て
先生が笑って
首筋にかかる吐息に
ゾクッとした




「………イチ困ってる」


「こ、困ってなんか」


慌てて振り返ると
先生は上目遣いで
私の目を真っ直ぐ見つめた




「いいんだよ、困っても」


「先生………」


「愛してる」


抱きしめられて
先生の胸に顔を埋めた
ドキドキドキドキ
先生の鼓動すごい早い



「愛してる
すごく愛してる
オレはイチが大好きだよ


オレがイチの居場所だから
オレがイチの帰る場所だから


今すぐでも
もう少しあとでも
イチが嫌なら
籍はこだわらないし


………オレがいるから
イチは1人じゃないよ
安心してていいからな」



「先生……」



「行くところがないなんて
絶対に思うなよ」



「…………うん……」



……捨てる神あれば拾う神あり



母親が捨てた可愛くない私を
先生はすごく愛してると言う
バカだな、本当に。


私はすごく厄介な事情を
抱えてしまってる



すごくすごく嬉しいんだよ。
もう今すぐ婚姻届け出そう
ってくらいだよ
本当だよ



だけど
植え付けられた哀しみは
私の感情なんかお構い無し



先生を失う未来を
私の脳裏で勝手に描く



幸せは このトラウマを
越えてくれるのだろうか?



私は哀しみを越えて
行けるのかな?



幸せな家庭を知らない私が
幸せな家庭を作れるの?



母親の愛情を信じない私が
いい母親になれるかな?



先生を幸せにできるかな?



こんなに愛してくれるのに
不安を抱くこと
本当に申し訳ないの


今すぐ私を見捨てた方が
先生は幸せなんじゃないかな?



…………だけど



先生に捨てられたら
私、生きていけないよ……