先生の青





………許せない……



「せ、先生…救急車。
救急車、呼ぶねっ!」



制服のポケットから
ケータイを出すと



「やめろって……
全然、ダイジョーブ」


そんな……
だってヒドイ怪我して


「じゃ、じゃあ警察っ!
先生、犯人知ってる…」

「やめろっ!」



ビクッ
先生の怒鳴り声に驚いて
身体が少し跳ねた



先生は目を伏せ



「………ごめん…………
でも、本当にヘーキだから」



「……………」


それ以上 何も言えなくて
ただ先生の前
しゃがみ込んだまま



夜風が私たちの間を吹き抜けた




黙りこんで うつむくと


「カッコ……悪いよね…」


先生が切れた唇を庇うように
弱々しく笑った


「漫画とかならさ
正義を振りかざす先生は
何人生徒がかかって来ても
うまく交わすのにな……」



先生…………



「カッコわる………
文化系だからね、オレ」



「そんなことないっ!」


「木下?」


「そんなこと……ない
先生は……カッコいいよ」



自分の正しいと思うことして
先生はカッコいいよ



カッコ悪いのは大勢で
一人を攻撃する奴らだよ