先生の青





先生は本当に早く帰ってきた




「なーんだ、イチ
掃除したのか?」


スニーカーを乱暴に脱ぎながら
先生は寝てろって言ったのに
って呟いた



「あんな不衛生な場所で
眠れません


先生、まだ5時30分だよ
部活は?」



「ああ?あー、うん」


先生は曖昧にうなずき
キッチンで手を洗う



私が心配で部活出ないで
帰ってきたんだな




「イチ」



タオルで手を拭きながら
先生は言った



「今日、晩飯、外で食おう
何が食べたい?」



「………え?外?」


「うん」



ベッドに座る私の隣に
先生もドサッと座り


「たまには外に行こう」



「や、でも先生」


誰かに見られたら


心配する私に先生は
ポンポン肩を叩きながら



「大丈夫だよ
生徒と飯食ったくらいで
クビにならんて」



「うーん」



「な、たまには違う事をしよう
ほら、なに食いたいか考えて」



少し急かすように
訊く先生
精一杯の気遣いを感じる



食欲なんてないけど


「じゃあ……」


高級フレンチ。とでも
言いたかったけど


今の自分の格好は
Tシャツにジーンズ
だって先生ん家には
いい服置いてないもん



「………じゃあ
回ってるお寿司」



「よし。回ってるお寿司な」


先生は「回ってる」を
強調して言った



それが おかしくて
二人で笑った