……おやすみなさい。
って言ったのは、いーけど
「この部屋で寝れるかって」
玄関で靴を脱ぎ
しばらく脱力
週末はちゃんと片付けてるのに(私が)
ベッドはぐちゃぐちゃ
床には脱ぎ散らかした服や
雑誌やコミック
テーブルの上には
ペットボトルや
汚れたグラスが何個か
くしゃくしゃに丸まった
ティッシュは至るところに
……鼻かんだら
ゴミ箱に捨てろよ
「仕方ない、掃除するか」
クローゼットを開け
制服を着替えて
掃除を始める
まったく もう
なんて呆れながら
内心ほっとしてる
余計なことを考えないで
黙って寝てるなんて
今の私には無理なんだ
何かに集中してなきゃ
すぐ後ろで絶望が
大きな口を開いて
私を飲み込むのを待ってる
仲の良い母子ではなかった
小さな頃の思い出は
とにかく留守番だった
参観日だって
ほとんど来なかった
でも、それは
お母さんと私
二人一緒に
生活するためだった
寂しい時は
やっぱり
とにかく掃除した
お母さんは今
私のために
頑張ってるんだと
お母さんと私の歯車は
どこで何が狂ったのか
いつから私は
いらない子供だったのか
もしかしたら最初から?
………産んでくれなんて
頼んでないけどな
今、どこで何してるの
お母さん
お母さんと私が
過ごした17年間は
こんな風に
終わらせられる程度の
モノだったんだ?



