「イチ!どうした?」
ドアを開けた先生は
ずぶ濡れの私を見て
驚いた声を上げた。
「ごめんね……
急に来ちゃって」
「なに言ってんの
早く入って着替えな」
うつむいたままの
私の肩に手を添え
先生は部屋の中へ
入れてくれた
バサッ
私の頭にタオルをかけ
「早く拭きな
今、風呂の用意するから」
先生は忙しなく
浴室の方へ消えた。
しばらくしてから
お湯の音が聞こえてきた。
髪を拭いてから
濡れた制服を脱ぐ私に
「どうした?」
先生は心配そうに訊いた。
クローゼットから
ハンガーを出して
脱いだ物をかけながら
聞き返す
「どうしたって?」
物干しに干してくるって
先生はハンガーの制服を
受け取り
脱衣場に歩きながら
「何かあったんだろ?
何があった?」
「何かないと
来ちゃいけない?」
Tシャツをかぶり
襟から顔を出して
袖に腕を通すと
先生が脱衣場から
戻ってきて
渋い表情で私を見つめた
その視線に
気付かないフリして
ルームウェアの
ショーパンを履き
ドサッとベッドに座る
先生は床に落ちたタオルを拾い
まだ濡れてるって
私の頭をワシワシ拭きながら
「イチの顔見たら
すぐわかるんだからな
どうした?何があった?」
「……………」
何も言えなくて
少し重たい沈黙が流れると
浴室から「ピーピー」と
お湯が溜まった事を知らせる
音が聞こえた



