先生の青





そう納得いかないんだ。



「だって進学して
一人暮らし出来ても
結局はお父さんのお金で
生活するんでしょ?」



離れれば良いって問題じゃない



進学して一人暮らし出来ても
金の出どころは親だ。



結局は親の手の中で
飼い慣らされてる



親のお金で生活してるクセに
嫌いだなんだって言う自分は
とても情けない人間に
成り下がるみたいで嫌だ



「それって
気持ち悪いよ、すごく。
自立がしたいの。
進学したら
一人で生きてるって言えない」



言ってるうちに
あの家に対する
不満みたいなのが込み上げて
手が震えた



すごく険しい顔をしたと思う


だけど先生は私の話にうなずきながら、だんだん柔らかい表情になっていく



「前にもイチに言ったと思うけど、人との関係って断ち切れないんだよ」



前に美術準備室で
「早く大人になりたい」
私の言葉に先生は確かにそう言ったのを思い出した




「例え、イチが自分で稼いだ金で生活したって良くも悪くも家族は家族なんだ


何かあれば、家族に繋がる
何も起こらないなんて
言えないだろう?


生きてるなら
何があるかわからないし
イチにも両親にもね」



私がおとなしく聞いてるのを
確かめながら先生は話す



「それを踏まえた上で
イチは余計な事は考えずに
まずは自分の足元を
固める事だけを考えな


進学はマイナスにならない
意地はって無理したら
必ず落とし穴が待ってるよ


落とし穴に落ちても
這い上がれるだろうけど
その穴はきっと一人では
抜け出せない


急がばまわれだよ
冷静に考えればわかるはずだ」