好きだと思うたび
痛みを抱く先生ごと
抱きしめよう



だって先生は
いつも私にそうしてくれた



傷ついた私ごと
抱きしめてくれた




熱は夜になって
少し高くなったけど
身体がダルい以外ヘーキで



先生は寝ないで看病するとか
言ったけど



ベッドに座る先生に
手を伸ばして



「一緒に寝ようよ
……あ、でも風邪うつる?」



私の言葉に先生は困ったような複雑な表情を浮かべた


なんとか いつもの調子に戻したくてからかってみる


「センセーはバカだから
風邪引かないか」



「なんだってぇ?
教師に向かって、こら」



一度ムッとした表情は
すぐに明るい笑顔になり
私の頬を軽くツネッた



クスクス笑いながら
もう一度 誘ってみる


「先生。一緒に寝よう」





部屋の灯りを消して
先生が布団をめくり
片ひざをついて入ってきた



横になりながら私を見て



「イチのパジャマ姿
初めて見たな」


そんなこと言われると
照れてしまう


確かにここでは先生のTシャツやスウェットを借りてた


「なんか その言い方やらしい」


軽く唇とがらせてみると
先生は平然と軽く首を傾げ
「そう?」って言った



「………ねぇ」


暗がりの中
目をこらし先生を見る


「私の着替え。
ここに置いといていい?」


先生はこちらを向かず
天井をじっと見つめ


「好きにしな」


素っ気なく呟き
目を閉じた