安心して
ひざに視線を落とし
「ふぅ」と小さくため息をつく



また顔を上げ
先生に視線を向けると



ゆっくり うどんを食べる先生が
ポタポタ
静かに涙を流してた



…………先生………



ポタポタ、ポタポタ
目からこぼれる涙が
頬をつたい
あごの先から落ちる



声も出さず
泣きながら
先生はうどんを食べた



身体が暖まったり
食事をしたり
自分が生きてると感じる度
フミさんの死を思うんだろう



先生の隣に移動して
丸くなった背中を
そっと さすった



傷ついた先生を見ると
胸は痛い



だけど同時に
愛しいという気持ちが
胸を熱くする




……何もいらない


ただ そばにいたい


私は先生が愛しいよ




時間はかかったけど
先生は残さず
鍋焼きうどんを食べてくれた




「疲れたでしょう?
寝た方がいいよ………」



テーブルの上を片付けながら
先生に声をかけた



キッチンで洗い物をしてると
なんだか妙に顔が熱く感じる



………暖房きき過ぎ?
でも身体は寒いな



何だろう、安心したから?
目がぼわぼわする




「………はぁ」



吐く息が全部
ため息みたいになる