先生の青




三島先生は別名ジャイアン



真面目に部活に出てる生徒は
もう知ってる


イヤホンをした
先生が目をつぶり
足でひっきりなしに
リズムをとる



数人の生徒に
緊張が走るのがわかる



このビミョーな空気が
わからないのは
日の浅い部員だ




すぅ……………
三島先生が息を吸い



――――――――くるっっ



緊張で筆を止めた私を
絆が不思議そうに見た瞬間




「~♪――…♪~♪~♪
♪―…♪~~♪」



三島先生の大音量の歌声



曲はいつも通りAquaTimez
先生 大好きだもんな


上手いかはビミョー
とにかく声がデカイ


目をつぶり
自分の世界に入り込む


人の迷惑を考えない
三島先生のストレス解消
まさにジャイアン!



何も知らない絆が


「えっ!なに?なに?
どうしたの?」


可哀想なくらい戸惑ってるから



「はぁ……」ため息ついてから
筆を置いて
教室の隅へ向かい



「~♪♪――…♪~♪~♪♪―…♪~♪♪♪♪~♪」


タン、タン、タタン、タン



私が目の前に立っても気付かず
足でリズムをとり
大声を出してる



………合唱部にでも入れ



スポンッ
イヤホンのコードを引っ張り
先生の耳から外す



とたんに先生は不機嫌になり


「なんだよっ!
人が気持ちよく………」


「だったらカラオケでも
行ってくれば?」


私の言葉に
美術部員が
うなずくのを見ると


いじけたように
唇とがらせて


「はい、はい。歌いませんよ
ごめんね、ごめんねぇ~」


またイヤホンをつけて
今度は静かに音楽を聴き始めた