強く吹き付ける海風は
冷たいを通りこして痛い
砂浜に足がとられて
何度も転びそうになった
駅からタクシーに乗り
海に着くと広い砂浜を
あてもなく走った
ゴウゴウと吹く風の音
ザザ――ンという波の音に
かき消されながら叫び走る
「先生――――――っ!
先生―――――――っ!」
荒い白波を見ると
まるで呼んでるみたいに感じて
海は見ずに
真っ直ぐ砂浜を進んだ
「……先生っ!
……先生……っ!」
寒さからか、不安からか
唇が震えて歯がガチガチ鳴った
「…………先生っっ!」
どうしよう
どうしよう
早く、早く見つけなきゃ
先生が死んじゃう
先生がいなくなる………
怖いよ、誰か助けてよ……
助けて、助けて、怖いよ
どうしていいのか わからない
希望も光もどこにもない
「………せんせぇ…………」
身体の感覚がなくなって
一歩進むたびに身体がよろけた
顔を上げると
涙でかすむ視界の向こうに
砂の上、寝転ぶ人影が見えた
「―――――……せんせぇっ!」



