私の手が先生の涙で濡れる
病院にお見舞いに行った時の
いろんな管に繋がれた
フミさんを思い出した
フミさんの指先は温かかった
「………なんで……
………なんで…なんで……」
握った先生の手から
だんだん力が消えていく
「………フミ、ごめんな……
フミ、フミ、ごめん……
………ごめんな………
どうして………どうして もっと
どうして もっと優しく
優しくしなかったんだろう
フミ………ごめんなぁ……」
涙が溢れて止まらなかった
胸が痛くて息が出来なくなった
泣いて謝り続ける先生の頭を
抱えるように抱きしめた
「……フミ待ってたんだもんな
オレを待ってたんだもんな
朝まで海で待ってたんだもんな
行かなくてごめんなぁ……
最後にするって……言ったのに
……聞いてやれば良かった
好きだって……
こんなオレなんかを好きだって
バカだよ、フミ………」
先生をきつく抱きしめて
一緒に泣いた
それしか出来なかった
「フミを好きになれば良かった
手を握ってやれば良かった」
なんでだよ
なんでだろう
なんで、なんで、なんで
先生の言葉が耳に響く
きっと答えは見つからない
哀しみはどうしたら
消えるだろう
先生の苦しみはどうしたら
消えるだろう
一緒に涙を流しながら
髪や背中を撫で
先生を抱く
少しでも
哀しみが苦しみが
吸い取れるように



