先生の青





どれくらい
ただ黙って座ってただろう



部屋の中が暖まり
少し空気が乾燥してる



肩を落としたまま
動かない先生に



「先生、疲れたでしょう?
お風呂、用意しようか……?」



先生は黙って首を横に振る



「……じゃあ、着替えて
今日はもう休もう?」



クローゼットから
先生のスウェットを
出して渡した



スウェットを受け取ったまま
しばらく
先生は動かなかったけど



ようやく着替えて
ベッドに入った



私はベッドの前に座り
横になった先生の手を
両手で握る



「……ずっと、こうしてる
先生が眠ってる間
ずっと、こうしてるから」



言える言葉は
何一つ見つからない


手を握るしか出来ないなんて



握ったお互いの手の温度が
同じになった頃



先生の手が小刻みに震えて
閉じた目から涙が流れた




「…………先生……」




「………フミは………
知らないんだよな」


涙をいっぱい流して
先生は言った



「……フミはさ、
知らないんだよな

好きな人が……こうやって
……優しく……手を……
握ってくれる温かさ……」



………先生



「フミは知らないで……
死んでいった………

なんで……なんでアイツが
なんでアイツが
死ななきゃならないんだよ……

なあ、なんでだ?
なんでフミなんだよ……」




なんでだよ
なんでだよ



先生は身体を震わせて
私の手にすがりつくように
泣いた