先生の青




先生が帰ってくると約束した日


その日は金曜日で
学校終わったら
着替えをバッグに詰めて
先生のマンションに向かった



バイトも休みをもらって
先生の家にしばらく
泊まり込もうと思った



一昨日、
ケータイ越しに聞いた先生の声


今にも消えてしまいそうだった



先生の部屋の前で
しゃがんで待ってる間も



先生はちゃんと
こちらに向かってるだろうか?



バカな事を考えてないか……
それだけが怖くて



早く帰ってきて
無事な姿をちゃんと見せて
祈りながら待ってた



マンションの通路は
とても冷えて


スカートから出た太ももは
真っ赤に霜焼けして
指先はもう
感覚がなくなってきた



ケータイで時間を確認すると
20時48分


不安が濃くなってきた時
こちらに足音が近づいてきて



顔を上げると
ゾクッとするほど
やつれた先生がいた



数日前、バレンタインのチョコを自慢してたのが遠い昔のようだ。




虚ろな目で
部屋の前にしゃがむ
私を見下ろし
手を差し出した



差し出された手に
手を伸ばすと


先生は手を握り引き上げ
私を立ち上がらせた



「………先生」


無表情のまま先生は


「手が冷たい」


独り言のように呟いて
ドアの鍵を開けた