先生の青





「フミが どうして ああなったか市花さんは知ってるの?」


小さくうなずくと


「自殺ってね、自ら命を絶つだけじゃないのよ

家族も親しい人間も一緒に殺す行為なの」


辛い事を彼女は
冷静な表情で話した


「フミは典型的な末っ子で
天真爛漫、甘え上手な子で
家の太陽だったわ

そんな子がこうなって
両親は哀しみや無力感に
押し潰された

私にはフミの事を哀しむ余裕すら与えられなかったわ

フミと、両親を支えるため
大学もすぐ辞めて……

損だなぁ……って思ってた
哀しい時に哀しめない
精一杯がんばれば
冷静な長女を『冷たい子』って親が言うんだから、びっくりよ」



先生の話からは
汲み取れなかった


当然だけど
カナさんもまた
嵐の中にいたんだ


ううん
もしかしたらカナさんが一番
強くきつい嵐の中にいたのかも知れない



「泉も一度フミの事で
死のうなんて
バカな真似をしたけど

それからは落ち着いて
私の支えをしてくれた

『フミの事はオレが
一生かけて責任とる』なんて言って


両親よりも泉だったな
私を理解してくれる人は

両親よりも彼氏よりも泉
泉だった………」




嵐の中にいたんだ


先生とカナさんは
同じ嵐の中に…………